エアコンの選び方(低価格モデル)

変態です。

 先日の見積に不満が無かったため正式にパナホームへ取付工事を依頼した訳ですが、機種選定はこちらでする必要があります。エアコンって量販店の壁一面にズラ―っと掛けられていますが、どれもこれも真っ白でデザイン的にも大差なし。比較要素はスペックと価格だけ(あまり無いとは思いますが、大きくて設置予定場所に収まらないといった物理的制約)といった、まさに白物家電の代表といった趣きです。

 同じ白物家電でも冷蔵庫や洗濯機は一段階脱却が進んでいて、見た目にバリエーションが随分出てきましたがエアコンはまだまだ。三菱電機が「霧ケ峰style」シリーズとして販売している程度です…がスペックに対して割高感があります。(勿論他社も出していますが、まだ控え目ですね)
 ここにきて老舗のダイキンがフロントパネルを選べる「リソラ」を発売しました。見た目こだわりのある方は是非ご検討下さい。

前置きが長くなりましたが今回はエアコン選定について。

エアコンの機種選定

設置場所/想定使用状況等

設置場所:主寝室約10帖
使用時間:寝室のため主に夜間。息子が小さい間はプレイルームとして日中利用するが、せいぜい2~3h程度。
補足:当面子供部屋にエアコンを取り付ける予定はなく、子供部屋まで開け放ってプレイルーム化しているため合計16帖程度。

以上から必要とされるスペックは
・人に見せる場所でないため外観に主張は必要無く、むしろ無味無臭が良い。
・寒くなる夜間は布団の中なので暖房性能は特に求めない。2Fのため夏場の性能で選べばよい。
・長時間運転するのは就寝時のみで体温が安定しているため、人を感知するセンサー系は不要。
・ドアを開放して運転する可能性が高いため能力に余裕が欲しい
・取付がしづらい位置(テラス屋根取り外しが必要)のため、出来るだけ耐久性に信頼のおける物

…要は特別な機能は必要なくて、普及価格帯で耐久性の高い物を選べばいいという結果に。コンセントは100Vで設定していますので、能力的には冷房10帖/2.8kWクラス以下から選ぶ事になります。

エアコンのスペックの見方

一般的には「n帖用」「年間想定消費電力」の2項目だけ見て選ばれる方が多い気がしますし(後は省エネ基準達成率くらいでしょうか)、それで問題無いと思います。知っているとエアコン選びの時面白いかなと思うので触れておきます。

n帖用/能力(kW): これが大きい方がパワーがあります。車の排気量みたいなものですね。
電源(V):リビングなど大空間には最初から200Vコンセントが来ていると思いますが、個室だと100Vが多いと思います。高高住宅でない、寒冷地だなどの条件では12~14帖あたりから200Vタイプを視野に入れる必要が出てくるかもしれません。
年間消費電力:指定された条件で通年使用すると電気代がどれくらいになるかという値です。とはいえ設置/使用条件が違い過ぎるため、大きいか小さいか程度のざっくりした性能比較程度にし、金額はあてにしないで下さい。
通年エネルギー消費効率(APF):(定められた環境下で)消費した電力に対しどれだけの熱変換効率が得られたか。エアコンは電気で行った仕事の数倍の熱エネルギーを外気から取り入れる事が出来るシステムで、この値が高いほど高性能と言えます…が既に普及価格帯の機種であっても十分な効率を各社出しているため低くて問題になることは無いでしょう。
冷媒:フロンガスがオゾン層を破壊すると言われ使用されなくなって久しいですが、現在は新冷媒のR32が主流です。(これまた減ったとはいえ温室効果が非常に高いガスなので漏れてはいけない事に変わりはないです。)

メーカー選定

エアコンは機器寿命が長いため、耐久性の比較はエアコン取付工事会社や販売店、メーカーでもない限り出来ません。「個人の体験」なんて人生でそんなに台数を買う物でなく、買い替える頃には同じメーカーといえど開発者が世代交代しているくらい期間があくので完全に別モノ、単なる当たりハズレです。
 比較出来るデータが無い場合は魔法の言葉「国産」を優先します。国産のクオリティが高いのかと言われたら、今の世の中全くそんな事は無いのですが(よく管理された中国工場の方がクオリティ高いなんて事は普通ですし)、気分的な問題とどうせなら内需に貢献できればって程度です。
 低価格機で室外機まで国産をうたっているメーカーは非常に限られて、実質三菱電機と日立の2社となります。パナホームなんだからPanasonicのエアコンにしようと多少思いましたが、社宅で使っていたPanasonicの低価格機「CS-J222C」のダメさ加減には呆れていたのでハナから選択肢から除外しています。デザインはカッコイイんですけどね。

各メーカー低価格機の変態経験上イメージ(主観です)

変態の実家スペック
・典型的田舎の日本建築。長屋を分割したウナギの寝床形状
・勿論全室断熱材レス。間仕切りは上半分障子/下半分ガラスの障子もしくは襖
・畳をめくって床板めくれば即地面の布基礎
断熱?なにそれおいしいの?といった現在ではなかなかハードな仕様です。

 ダイキン 100V(土壁和室 約6帖 平屋部) AN22MESJ 2.2kW(2011)
 ダイキン 100V(土壁和室 約6帖 平屋部) AN22NESJ 2.2kW(2012)
 Panasonic 200V(石膏ボード洋室 約16帖 平屋部) CS-406CFR2 4.0kW(2016)
 Panasonic 100V(石膏ボード洋室 約8帖 2F)
 三菱重工 200V(約14年程度で故障して上記Panasonic200Vと入替)

 土壁と畳のパワーも否定できませんがダイキンの快適さは頭一つ出ています。冬はなかなかの積雪量のある地域ですが、霜取りで長時間停止することもなく夏冬共に非常に安定感があります。安い価格以上に安っぽい見た目が欠点といえば欠点。

 LDK前任の三菱重工ビーバーエアコン約14年落ちが亡くなる寸前まで「ちょっと能力足りないかな」ってレベルだったので、量販店に勧められるがまま能力を一段階上げたCS-406CFR2を選んだとの事ですが全くの無能。室外機は南向きテラス屋根の下という特等席に設置されていながら雪が降ると霜取り運転の連続で室温がどんどん下がる。夏はキレの無い冷房能力で、まとわりつく不快感があるという、200Vの中では低価格機とはいえ最新エアコンとしてどうなんだと言いたくなる状況。
 大型掃き出し窓+通常サイズの掃き出し窓が南北にあるという厳しい部屋ではありますが、前任にこれほど劣るとは…

 適した部屋なら大丈夫と思いたい一番有利な洋室2Fですら、LDKほどひどくないとはいえ変態が以前住んでいた社宅のCS-J222Cと同じ様な空気感のため、これがPanasonicの低価格機の味付けなんだと思います…正直地雷レベル。

 インバーター式エアコンの性とはいえ除湿能力が悪すぎて、外気温がさほど高くないのに湿度だけ高い夜などは、外より蒸し暑いなんて事になってましたし。
 これを解決するには昔のエアコンの様に間欠運転をするか、再熱除湿をするしかありません。再熱除湿は簡単に言えば設定温度より更に下げて湿度を取り除き、設定温度まで温めてから室内に戻すといった動きのため冷え過ぎませんが温め直す分消費電力は上がります。この冷房のくせに温めるというのが無駄感があって好きじゃないんですよね…!(そもそも低価格機には付いていない機能ですが)

 そんな訳でダイキンに惹かれつつも国産の中から選ぼうという今回の趣旨から、両社とも初めてですが日立か三菱の2択としました。低価格機であれば価格もスペックも互角。日立の「ステンレスクリーン」は魅力でしたが、最後はブランドイメージだけで三菱に決めてしまった感です。

ちなみに民生用エアコンのシェア
 Panasonic、ダイキン、三菱電機、日立の4強といったところでしょうか。
やはり白物家電の様な分野は「数こそ正義」ですので、販売台数の多さは信頼感に繋がります。このうち目を引くのはダイキンですね。唯一の空調機器専門メーカーで、業務用と世界シェアでは圧倒的ですが日本の住宅用ではそこまでではありません。

三菱電機の中から機種選定

変態家は寒冷地でもなく、上記の様に「冷房性能での選定」としていますのでシンプルなGEシリーズに。「住設用」でGVシリーズがありますが、床センサー等の機能が省かれ僅かにお安くなっています。そこまで価格差がある訳でないのでGEシリーズに決定。そういえばエアコンの型番って、2.8kWの17年モデルみたいな型番が多くて非常にスペックが解りやすい物が多いです。

 室外機、室内機共に外寸は2.2/2.5/2.8(kW)と100V仕様では全て同じ。熱交換器の大きさもファン径も同じであると仮定すれば、出力差をつけるにはコンプレッサーやファンの回転数を上げるしかない訳で、となれば同じ程度の機器寿命で設計されているなら高耐久品が奢られている可能性が高いです(勿論予測ですが)。
 効率は出力が上がるほど下がる傾向にありますが、微々たる差ですし能力が足りないという事態だけは避けようという判断から2.8kWモデルに決定。三菱GEシリーズだと2.2kWと2.8kWならそれなりに価格差もありますが、2.2では不安過ぎるし2.5だと価格差が無いですし。

 帖数は、メーカーとしては公称値で能力が不足するとイメージが悪くなるため、木造/鉄筋と分けていますが(きちんとしたソースは提示出来ませんが、断熱等級3程度で設定しているという記事もありました)、現在の高高住宅であれば木造でも鉄筋側のスペックで見て問題ないと思います。

という訳でネット通販にて購入。
MSZ-GE2817:51700円(2017年10月時点)

MSZ-GE2817の特徴

温度設定は1℃刻み。最近だと0.5℃刻みの物も多いらしく、そんなに細かい必要あるのかと思いましたが軽自動車のエアコンですら0.5℃刻みですものね…言われてみれば意外と便利に使っている気がします。とはいえリビングのメインエアコンも1℃刻みなので気にしません。

 他社低価格機に比べてウリは床面温度センサーがついていること。最近のエアコンは効率を求めるのも限界にきているため、センサーで人の居る位置などを感知してそこだけ快適にしたり、人が居なくなったら出力を絞ったりなど涙ぐましいまでの努力(小細工)で節約する方向へシフトしています。正直さして必要無いと思いながらも、部屋の高い位置にある本体の温度センサーだけでは合理的でないと思っていますので床面だけとはいえ低い位置の温度センサーが付いているのは評価できる点です。

 外観では他社と比べて圧倒的なまでにダサいリモコン、このカラーリングなんとかならんのか。更にリモコンに穴が空いており、壁にフックだけ付けて引掛ける事が出来るというこれまたなかなか見ない設計思想です。リモコンホルダーも別売りという徹底っぷりで、他社ならリモコン裏側に皿ねじに引っ掛けられるへこみを彫り込んでいる所です。

 エアコンの本体正面パネルを外して丸洗いできるというのは評価したいですが、むしろフラップを簡単に外せる様にしてくれた方がうれしいんですが。フラップが割れても交換しやすいし、一番汚れの気になるシロッコファンを掃除しやすくなるので。といってもシロッコファンは室内機のキモとなる部分なので、わずかなバランスの崩れなどで耳障りな音を発する様になります。メーカー側としては触らせたくない部分でしょうね。

運転していない間も、昔のエアコンの様にだらしなく口が空きっぱなしです。結露で内部にカビが生えるという点から見れば悪くないと思いますが、「内部乾燥機能」も付いています。

まとめ

エアコンを通販で購入するというのは初めての経験でしたが、モノがモノだけに大きくて施工日までの保管に気を遣う必要があります。普段から運動不足だと室外機など持ち上げようものなら、安く買えた差額でペイ出来ない様なダメージを負う可能性がありますので気を付けて下さい…
あとは取り付けるまで動作確認が出来ない事ですね。初期不良対象期間の確認や、取付工事予定を組んでいたのに期日までに届かなかった…なんて事はなんとしても避けたいです。

1 件のコメント :

  1. 三菱と日立なら3.6kw級でありながら100V15Aの限界に挑戦した様な変態仕様もありますよ。
    (他社はIL型コンセントの20アンペアになります。)

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