療育手帳申請

変態です。

 各都道府県によって「愛の手帳」など呼び方は違いますが、療育手帳の取得について。先日、申請していた療育手帳の検査順が回って来たので、中央こどもセンターまで行ってきました。

療育手帳とは

各都道府県知事から所謂知的障害者に対して発行して貰える物ですが、この「各都道府県知事から」というのが重要で…全国一律の制度ではありません。各都道府県独自の制度となっており認定基準も制度の内容もまちまちでかなりの差がある様ですが、発達障害にとって助けとなる制度です。

 変態県の中央こどもセンター担当者さん曰く「変態県はかなり制度としては充実していて認定も非常に緩く、(新版K式発達検査2001の)結果が75以下であれば発行して貰える」との事でした。程度区分(等級)はある程度融通が利く様で、スコアだけでなく検査員の裁量で決められる様でした。

特児(特別児童扶養手当)と同時にしていた療育手帳の申請ですが、実際に順番が回ってくるまで約2ヵ月待ちでした。

変態県での療育手帳取得までの流れ

・療育手帳取得申請
・約2ヵ月~指定の中央こどもセンターで発達検査(等級決め)
・約1ヵ月程度で療育手帳発行

 必要書類も各都道府県によって違いますので申請書類に書いてある物を用意すればいいのですが、まず間違いなく「(証明)写真」は必要になると思います。普通の証明写真と同じで40 × 30mm 程度の物ですね。

 そんなもの証明写真ボックス、もしくは写真屋で撮ればいいじゃない?と思われるかもしれませんが、自閉症の子って見ず知らずの場所だったり、それこそあんな閉塞感のあるハコの中で行儀よく座っている事など不可能な子が多いです。その上でカメラを見るなんてどれだけハードル高いんだよと。

って事は先方も重々承知してくれているので

・(携帯電話のカメラ含を含め)家庭用カメラで撮影した物を、家庭用プリンタで印刷した写真でも可(自治体によっては対光性が悪い事等から家庭用プリンタは不可)
・厳密に正面の写真でなくてもよく、目が開いていれば手が顔に触れていたり被り物をしていても可

という事なので、あまり堅苦しくなくていいようです。
心配なら、数点持って行けば選んで貰えますしね。

 変態県の場合中央こどもセンターに検査を受けに行く時点で「発行される」事は決定している様です、書類のみでOKって事ですね。現地での発達検査は、等級決めに使われる様です。

更新は
・15歳以下は3年ごと
・それ以降は5年ごと

 との事でした。良くも悪くも15歳以降は安定してくるのでしょう。

 変態県の中央こどもセンターは、都会とも言えないけれど田舎とも言えない程度の微妙な立地にあるため、公共交通機関で行くには少々大変な場所。こういう場合にもやはり障害者には「車が必要とされる」と判断して措置が取られている現行の制度はありがたいですね。

療育手帳のメリット

療育手帳での自動車関連税の減免

療育手帳を持つ当人もしくはその保護者所有の車で、障害者1人に対し1台の自動車関連税の減免措置が受けられます。

減免の受けられる税金は
・自動車取得税
・自動車税
の2種ですが…取得税はグリーン化税制もあってそもそもかからない事が多く、また車検の際に発生する「自動車重量税」は減免の対象にならないため…実質「自動車税」だけになります。

 対象となる車の排気量に制限はありませんが、減免される金額は上限で2000ccクラス分(39500円)まで。以前はもう少し大きかった様ですが、近年の小排気量化の流れや、認定基準を甘くして認定後の範囲を絞る事で対象者を広げようという方針転換のためだそうです。まぁ実際2000ccあれば車いすなどをラクラク積めるミニバンだって買えますし、2500ccの車でも2000cc分までは減免されるので非常にありがたいです。

変態県での例:対象車両が2500ccの場合(自動車税:45000円)
A判定で免除であれば5500円(45000-39500)
B1判定で1/2であれば25250円(45000-39500/2)

となります。

税金の控除

サラリーマンですと年末調整で「障害者の扶養」欄に記入する事で、税金の控除をしてもらえます。療育手帳の有無は条件で無いのですが、持っておくと処理がスムーズになります(コピーを提出するだけで証明になりますし)。

サポート体制

他にも変態市では手帳を取得する事により、行政公認サポートブックの記録が開始されます。成長していく上で受けた検査や療育の記録を行政公認で取って貰えるため、こども園ならば加配の考慮、進学時の相談(支援級や支援学校など)にも利用され、よい環境を整えやすくなります。

その他

公共交通機関/タクシー等の割引
各種レジャー施設の割引
高速道路の割引
駐車禁止の除外

などなど多くのメリットがあります…が、中~軽度の場合には上記税金関連を含めメリットが小さくなりますので、小学校入学まで取得されないご家庭も多い様です。

実際の検査

 中央こどもセンターでの発達検査2日前に微熱があった息子、前日には元気でしたが微妙に体調が悪いのか、当日の車中では普段しない昼寝。午後からの発達検査のため眠くて機嫌が悪いのは回避できたか…と思っていたのですが昼寝が微妙に足りなかった様で超不機嫌。

そんな状態で中央こどもセンターでの発達検査がはじまりました。

 これで3度目の発達検査のため、やるべき事は解っている様でしたが既にやろうと思えば出来る事な上機嫌が悪く、積み木や型ハメを投げるわ逃亡するわで結局測定不能に。
 検査員の方と一緒に施設内の探検になってしまいましたが、その間も階段の上り降りや走り方などを見て身体の発達具合の検査して下さってました。

 そこまでで一旦妻に息子をあずけて検査員さんから変態へヒアリング検査。検査続行不能との判断でやむを得ずです。多分100問くらいはあった質問に答えていきますが、どれもこれも出来ない事ばかりで、「他の子ってそんな事出来るんですか!?」って言いたくなる様な事ばかりでした。

 私と息子が検査を受けている間、妻は他の検査員の方から似たようなヒアリングを受けていたそうで、それらを総合してスコア算出をされる様でした。

前回を大幅に下回る結果となり判定は「A」

 検査員さんらの説明は、
 「本人がやらないと細かいニュアンスが伝わりづらく、どうしても「出来る」「出来ない」といった「1」か「0」の判定になってしまうためスコアが悪く出る傾向があります。A判定にするほどでは無いと思っていますが、悪い方にしておいた方が何かとメリットが多いと思いますのでA判定としておきました。」

 「私は今はここで検査員をしていますが、療育を専門として学校で30年勤めてきました。子供の成長はグラフで書くと右肩上がりの直線グラフになりますが、実際の成長はもっと階段状で、伸びる時にはグンと伸びるんです。息子さんはその階段を1段上がる寸前に居る様に見えますので、もう少ししたら突然語彙も増えると思いますよ。」

 「あと最近のタブレット、ベッタリそればかりはどうかと思いますが非常にいいと思います。自閉症の子たちはどうしても視覚優先のため、目から入る情報は受け入れやすいです。勿論昔ながらのことばカードみたいなのもいいのですが…飽きますしねハハハ。」

 などと言って下さったりと、もっと公務員的で事務的な雰囲気だと思っていましたが温かい所でした。というか、変態市のこども福祉課といい療育園といい幼稚園といい、どこもいいひとばかりで随分メンタル的に救われています。

 実際タブレットは変態家でも非常に役立っています。タブレットですら飽きてくるのにことばカードは本当に飽きが早かったです。同じ様な、カードだったりスポンジ状の物だったり積み木だったり、何セット買ったか解らないくらいあります。全部並べたり立てたり、テレビと壁の隙間に詰め込んだり、折って投げ捨てたりと最後には破壊されますが。

 妻が療育手帳申請時の検査結果を療育園に報告したところ、職員満場一致で「絶対A判定とかないわー」ってリアクションだったそうです。

まとめ

頭では理解できても気持ち的には、判定結果が悪いのはやはりショックが大きいと思います。けれど、結果それが子供の未来のために有利になるのであれば、それでいいのではないでしょうか?そこでたまたまいい判定が出ようが、子供の今の実力が変わる訳では無いですし。勿論親としてのモチベーションに影響は出ますが…
 「一番下からのスタートなら後は上がるしかない」と思って成長を楽しみにしようと思っています。

2 件のコメント :

  1. 変態さん ご無沙汰しております。 ココです。
    お元気そうで何よりです。
    我が家は新居に越してから半年が過ぎました。
    手直し工事もやっと終わり、平穏が戻ってきました。
    暮らしながらの工事はストレスの何者でもありませんでした。
    ただ、仕上がりは期待通りだったので、まぁ良しとしましょう。

    療育手帳ですが、実は私の職場にも持っておられる方がいます。
    来年、小学校へ進級されますが、普通学級を選んだとお話してくれました。
    「そう、受け入れ体制があって良かったね!」と申したところ、
    「いつ、何があるかわからないから、子供と向き合えるのは今だから、仕事ではなく子供を優先したいんです。」
    と退職されることになりました。
    ご本人が選択された決断ですが、職場の仲間としては残念でなりません。
    出来るだけ私としてもフォローしてあげたいのは山々なのですが、専門職の彼女の仕事は私ごときにはなすすべもなく。。。。
    彼女のお子さんと彼女が、どうか幸せな時間を持てることを願ってやみません。

    お家の片づけですが、なんと、まだです。。。。。。テヘッ
    年が明ける前までにはなんとかしたいのですが、まぁ焦らないことにします。(どんだけやねん!!)

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  2. ココさん
    お久しぶりです、というかいつもコメントありがとうございます。
     更新の頻度が落ちているのは、家の記事がひと段落したという事もありますが、妻に言われて始めたドラクエ11が時間泥棒すぎただけですので…(苦笑
     あとは職業柄、年末にかけて繁忙期でして、そのせいもあり少々年末まで更新が少な目になると思いますが変わらぬご愛顧の程よろしくお願いいたします。

     変態家では、ちょっとした手直しでも妻が息子を連れて外出するくらいですので、それが続くとなると離婚を疑われるレベルになりそうです。と冗談はさておき、生活しながらだと、工事の立ち合いスケジュールを合わせるだけでもストレスになりますものね…

     やっぱり療育手帳を持ってられる方って、結構身近に居られるんですよね。
    自分にかかわりあいの無い時には全く気にも留めていなかったのですが、いざ我が身や友人知人などに起こって初めて、こんなにも近い世界の話だったのかと。
     その同僚の方の決断は、とても素晴らしいと思います。なんていうか、療育についてもですが、子供が成長していく上で「あーあの時こうしておけば良かったな、仕事をなんで優先したんだろう」って取り返しのつかない自責の念が残りかねない…と思います。

     私も今できる事を息子と一緒にしていこう…と思ってはいますが、かといってあまり躍起になってもと緩い感じで…とも思いながら、なんとも難しいですが出来るだけ息子と一緒に居られる様にしています。
     ココさんの様に、理解してくれる方が近くに居られただけで、同僚さんはとても幸せだと思います。世間の理解が昔に比べて進んできているとは思いますがどうしても偏見などの対象になりがちですので。

     年末までまだ随分あると思っていても加速度的に寒くなっていくと途端にやる気が喪失していきますからね…うちも入居時に渡された書類を片付けねばと思いながら、確定申告やら年末調整やら固定資産税の評価やらと使う事がたびたびあるので、未だWICの片付けられず床に広げたままになっていたりと、いい加減にせぇや状態です。

     お互いなんとか年末までに片付け頑張りましょう!

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