(洗濯)防水パンは必要無いのか

変態です。

 今回はとても地味ですが意外と重要な防水パンについて触れようと思います。実際変態も採用を悩みましたが…結論としてはパナホームの提案通り不採用としました。洗濯機の買い替えや床のメンテナンス時期が来た頃に「採用しとけばよかった」と思う事になるかもしれません。

防水パンって?

洗濯機の下に設置する樹脂製の板状の台の事です。排水口に接続されており「洗濯機周囲+下の水を集約して排水する」役目を担っています。集合住宅の場合や2Fに洗濯機を設置している場合、万一の漏水トラブルへの備えとして必須装備ではないでしょうか。

メリット

防水パンのメリットは「水のトラブル(全般)」への備えが出来る事。漏水は勿論ですが、部分手洗いなどをしてベタベタの状態の洗濯物を洗濯機に入れる時に床が濡れても洗濯機の下など手の届きにくい部分の濡れを気にする必要がありません。
 ヒートポンプ付き洗濯機の場合、配管や熱交換器などに結露が発生します。勿論これは洗濯機内部で回収する仕組みになっていますが、どうしても洗濯機内部から底にかけて湿度が上がる事になります。冬場の風呂上りなど湿度が高く床が冷たい状態で洗濯機を運転するといった複合状況によっては洗濯機下の床などに結露が発生する事がありえます。(ヒートポンプ付でなくとも、風呂が近ければ冷え切った洗濯機の金属部品に結露が発生しやすいです)
 防水パンに設けられた足置き台によって高さが稼げるため、洗濯機下部の通気性が上がり、結露やそれによるカビなどを抑える事ができます。
 こういった直接的な漏水に限らず水全般に対しての耐性を上げてくれる素敵装備です。

 また万人に合わせて計算されている洗濯機の高さですので、背の高い人にとっては洗濯物を取り出しやすくなるなんてメリットまであります。

デメリット

デメリットは…見た目くらいでしょうか。どんなにお洒落な床材を選び、カッコイイ洗濯機を置いても樹脂製の洗濯パンがあるだけで生活感が出てきます。
 身長が低めな人にとっては、洗濯機が高くなり作業性が悪くなりますね(高さの低い物を選べば軽減できます)。また床に直接置くよりどうしても動作音がうるさくなりがちです。

 洗濯機下の掃除がしづらいとよく言われますが、そもそも防水パンが無ければ掃除自体出来ない(動かせば出来るがそこまでする人は少数でしょう)し、むしろそれなら上げ底されている防水パン有りの方が掃除しやすいのではないかと。

 掃除といえば、この様な移動可能な洗濯機台という手もあります。

 社宅時代は脱衣所の壁がコンクリート打ちっぱなしという事もあり、結露で洗濯機下の床が一部抜けるという悲惨な状態になっていました。床を補修してこの台に乗せる様になってからは、キャスターが付いているため掃除もしやすく通気性が向上して明らかに洗濯機付近の床状況が改善しました。

変態家の防水パン事情

変態家でのパナホームの提案は「防水パンは必要ない」との事でした。
 パナホームとしては、「最近は置かない事の方が多く昔に比べて漏水する事も非常に少なくなった。見た目にも設置しない方がすっきりと綺麗です。」
 意訳すれば滅多にトラブルの起こるものじゃないから見た目重視でいきましょうって事ですね。邪推するなら「施主検査と雨樋と洗濯水栓」で触れた様に給水口が床出しに急遽変更になったため水栓はグレードアップしましたが、床出しになったため(位置確認無しの事後報告)大型洗濯機用の防水パンだとサイズ的に際どいなどの理由があったのやもしれません。実際測ってみると…740mmには足りない感じなので実質640mmタイプしか置けそうにありません。

補足)ちなみに一般的な防水パンのサイズは大きく分けて3種類
 W640㎜ × D640㎜
 W740㎜ × D640㎜
 W800㎜ × D640㎜

床材への影響

洗面脱衣所の床材は何にされているでしょうか?石張り、無垢張り、タイル張りなどのゴージャスなお宅もあるでしょうが、庶民仕様ですとシートフローリングもしくはクッションフロアが多いと思います。シートフローリングでも水回り対応の物(Panasonicだとアーキスペック)なら使えますがより庶民仕様(標準仕様)だとクッションフロアでしょう。
 勿論変態家はド標準仕様ですのでクッションフロアを採用しています。このクッションフロア、踏み心地もソフトでつなぎ目が少ないため水の侵入もしづらく、そもそも水を吸収しない素材。汚れにも強く極めて水回り向きな性能と、製造技術の向上により柄や表面にも意匠性のある物が増えましたし「こだわらなければ合理的な素材」と言えます。
 欠点は、味のある経年劣化をしないため、長く使う事は出来ず美観が損なわれれば交換しかない。接着剤での施工のためどうしても端から剥がれてくる、火に弱いため喫煙者は注意が必要といった程度でしょうか。

 あとは…欠点とも言えない程の欠点ですが、「物を長時間置くと取れない跡が残ります」。洗濯機やサニタリー収納などなど設置しますと、それはもうくっきりと跡が残り元に戻す方法がありません。変態家ではバスタオルハンガーなどもちょくちょく動かすので勝手に元に戻っていますが、この程度の重量物でも動かさなければ残るでしょうね。
 「蒸しタオルやドライヤー、アイロンなどで温めると」等、熱をかけることで目立たなくすることが出来る…と言われますがあまり期待はしない方が良いと思います。
 防水パンを設置すれば洗濯機の跡が残る事はありませんが、防水パンの跡はしっかり残りますのでクッションフロアである以上どうしようもないですね。前述のキャスター式台など使おうものなら確実にめり込みます。

 防水パンを採用しないのであれば、上記の様に湿気の影響を考え水回り仕様であったとしてもシートフローリングは避けた方がいいと思います。勿論「直ちに影響の出るレベルでは無い」とは思いますが。

まとめ

必要かと言われたら絶対ではないが、あった方が長期的に見て確実にメリットが多い装備だと思います。特に木質系フロアの上に直接設置するといかに水回り用と防水耐水性を考慮されていても、確実に傷みは早いでしょう。
 変態も悩みましたが、クッションフロアのため床材の寿命がそう長くない事、クッションフロア交換時に床の状況が確認出来るであろうことからも「見た目重視」の選択としました。

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