住設レビュー(長期レビュー1年目) 新型アラウーノCH1303WS

変態です。

 Panasonic住設のダジャレネーミングシリーズでも一際解りやすくてインパクトのある新型アラウーノのレビューです。新型とかNEWとかapple的名称の付け方で結局どれが一番新しいのか解らなくなるのでやめて欲しいんですけどね…海外の車や昔のガラケーみたいに3桁でグレードと何代目って解るようにならないものか。

 詳細は以前「仕様決定⑥洗面化粧台とトイレ」で触れましたが、アラウーノの大きな特徴は
 ・洗剤を使った自動水洗(家庭用食器洗い用洗剤対応)
 ・汚れの付きづらい樹脂素材「有機ガラス系新素材」を使用

細かい特徴としては
 ・タンクレス
 ・ターントラップ式排水
 ・フルオート動作
 ・フルオート水洗

となっております。
 タンクレストイレは電動ポンプで水を流すため、各社基本的には停電時は使用できないと思って差し支えないと思います。勿論対策として手動ハンドルもしくは9V電池での「排水」も可能です。これ結構、誤解を招くポイントだと思います。
 アラウーノは上記の様に「ターントラップ式」という排水方法を採用しています。通常のトイレは「サイフォン式」といって、上から水を入れると、トイレの奥から水が排水経路に溢れていき、その落ちていく作用によって汚物と一緒に便器内の水がサイフォンの原理によって吸い出されるという…要は上から水注げば流れます方式。

 対してアラウーノのターントラップ式は、排水経路自体が回転して排水する方式。排水経路を短くする事が出来、結果使用水量の削減と便器の小型化が可能になっています。
 「万が一」が許されない箇所ですので各社可動部の無い固定式排水系を採用していますが、Panasonicもそれを重々承知の上で採用した様で、過剰とも取れる設計耐久性100万回動作(100年相当)との事です。まぁ機械は即死(もしくは1年程度の短命)か天寿を全うするかの両極端が多いと思いますので、パナホームでは住設2年保証が付いていますし、運悪くハズレを引いてもまぁ安心ではないでしょうか…大惨事にはなりますが。

 給水は普通の電動ポンプ式で、停電時には電池での稼働は出来ないため「バケツで汲んで下さい」
 大型災害の場合は、実績上各種インフラのうち一番復旧までの期間が短いのは「電気」ですので、トイレに水が流せる段階なら電気は復旧している可能性が高いです。「お風呂の溜め置き等で採水出来る場合」や「事故や小災害、計画停電などの短期停電」などかなり状況が限られるので電池の出番は無いんじゃないかな…。
 昼間なら太陽光発電から電気をまわしてやればいいですしね。

新型アラウーノレビュー

外観の質感、使用感など(★★★★☆)

凹凸の無いスッキリした外観は好き嫌いされにくいと思います。変態の検討時には木目とブラック程度しか選べませんでしたが、2017年5月現在、10周年記念で10色のカラーバリエーションを期間限定販売されています。質感は…白が一番良かったと思います。
 便器自体は樹脂なので座った時の剛性感がやはり無いです、かといって軋む事もないですが。叩けば樹脂のポコポコ音ですし安っぽい程ではなにしろ質感もなく至って普通。
 前側が太めのデザインで穴が大きいため、子供や小柄な方より男性向きの設計かもしれません。
 ノズルはステンレス製。主観ですが動作音はウォシュレットや水洗含め並みから少し騒がしい方かも。ウォシュレットの水はソフト系では無く硬質系。Panasonicのウォシュレットはどれも似た質で硬めに感じます。

防汚性(★★★★★)

住み始めてすぐ、汚れないと聞いていたのにやたらに汚れるなという感想でした。本当に汚れやすく、社宅の陶器製トイレでも週1掃除すればいつも綺麗といった状態だったのが1週間もちません。トイレブラシで擦っても、ブラシの目が粗いためかなかなかブラシと当たっていない様で綺麗にならない始末で、失敗したかなこれは…と思いました。というか、昔から思うんですがトイレブラシって汚れ落ちないですよね!?あんなに密度の粗い太いブラシでは細かい汚れや、凹凸、傷の中の汚れまで到底届きません。かといって高密度だとブラシに汚れや水分が残るため…という葛藤で今のバランスになっているのでしょうが。
 その点流せるトイレブラシの様な、不織布タイプは洗浄力の点から見ても極めて合理的だと思います。洗浄力を高めるのに伴う、ブラシの汚れを使い捨てるという手法で解決している訳ですから。(アラウーノでは推奨されていません)

 1ヵ月くらい経ったので、一度徹底して掃除しようと思い、推奨されていませんがアルコール分を含んだトイレシートクリーナーで手を突っ込んでの拭き掃除を行いました。
 が、この日を境にアラウーノは生まれ変わり、本来の性能を発揮してくれる様になりました!あくまで状況からの推測ですが、工場生産時の離型剤が残留していたのではないかと思っています。製造年月日や、工事末期に設置された状況から見ても設置後に何らかの成分が付着したとは考え辛いですし。あの雑な美装会社が何か付けた可能性もなくはないですが…
ともあれ一度徹底洗浄する事によりほぼ能書き通りと言えるスペックを発揮してくれております。基本は今も週1の掃除としていますが、便器内部はほぼ汚れる事が無く1ヵ月経過してやっとパーティングラインあたりに少し汚れが見られる様になります。それ以外は、ウォータートラップ界面のさぼったリング(©小林製薬)すら発生しません。

掃除のしやすさ・メンテナンス性(★★★★☆)

非常に良好です。便座一体型のため部品数が少なく結果全体的に隙間や凹凸の無い造形に、便器フチ裏も非常に浅く、内外共に掃除のしやすいラインになっています。便座と便器の接する距離(便座裏側クッションゴム)が非常に薄く、また便座裏側や便器フチは、液体がかかっても液体が伝って便器内に戻る形状をしているため汚れが便器外へ出ていきにくくなっています。
 上記の様な掃除や管理しやすい設計に有機ガラス系新素材の防汚性からも、掃除しやすく汚れにくいと思います。
 メンテナンス性としては、まずは自動洗浄用の洗剤。設置時はアラウーノフォームという専用洗剤を入れてあるのでそれが切れてから…の話になります。勿論このアラウーノフォームを買えばいいのですが、パナホーム系列から購入しなければ基本ネット通販、かつ価格が普通の食器洗い洗剤と比べて数倍~となっております。洗剤の消費量は少なく、変態家(大人2人)では8ヵ月程度で購入時分を使い切りましたがご家族が多く家に居る時間が長いと結構早いのかもしれません。
 食器洗い洗剤は

 ・中性
 ・オイル成分(特にオレンジ系)を含まない

 と指定されています。便器を傷めない(変色含む)、ケミカルクラック防止、洗剤を混ぜる事によって固まり、配管の詰まりを防ぐといった観点から当然の事ではあるのですが…これではどれを選べばいいのか少々解りづらいですよね。取扱説明書には当然記載されていませんが…花王好きの公式では「洗剤を補充する」

 「キュキュット:花王」
 「チャーミーMagica:LION」

を例として挙げている様です。変態はMaicaを使用しており、その時はMagicaは公式回答では無かったのですが公認になった様ですね。(さりげなくスプラッシュオレンジは省かれています)

 掃除器具は「PP(ポリプロピレン)」指定との事です。一般的にブラシで多い「Ny(ナイロン)」は硬いので傷付くため使用不可…と書かれていますが、変態としては上記の通り

 ・トイレブラシは不要。もしくは不織布や、やわらかタイプを

と思います。トイレブラシレベルで洗えるような汚れはまず付きませんし(経年後は解りませんが)、傷を付けずにその状態を維持する方がよいと考えます。

何にしろ、扱いには気を遣うトイレというのは間違いないですね。

操作性/操作質感(★★★★☆/★★☆☆☆)

本体のボタンは本体上部化粧パネルの中(洗剤タンクや電池ボックスと同じ場所)に設置されていますので、リモコンの電池切れ等のほぼ緊急用と想定されている様です。
 という事で事実上操作性=リモコンの使い勝手となります。リモコンはいたってシンプルで、赤外線送信部がリモコン左右上端にある割に反応は良いです。これ見た目的に微妙なんじゃね?と思わなくもないですが、本体にも受光部が黒樹脂になっているのでデザインを合わせたのでしょうか。
ボタンは大きな独立ボタンが3つ。「小-便座開閉-大」といたって普通です。ボタンも大きくてクリック感も良く操作性はとてもよいと思います。ですがアラウーノは設定で自動水洗してくれますので、便座開閉くらいしか使わないって人も多いかと思います。
 下段に指定動作や設定ボタンがありますが、こいつらが頂けません。変態の大嫌いな方式の

「ボタンの付いたパネルを開け閉めする事でシートスイッチに複数の機能を持たせる」

 やつです。あのテレビのリモコンの下の方とか、エアコンのリモコンで多い方式です。ゴムボタン上から更にゴムボタンで押す方式に比べれば、ほんの少し押した感じはマシですが、このシートスイッチは押した感覚が酷いんですよ。ただでさえ押した感触の悪いシートスイッチを更にこういうタイプにするのは押した感触が劣悪になります。

 勿論少ないリモコンの面積で、ボタン数を減らしてスッキリ見せつつ機能数は減らさないという案なのでしょうが、人によっては水洗ボタンより使用頻度の高いボタンをこの方式にするのはかなりいただけません。
せめて、少々コストアップしたとしても、詳細動作+設定ボタンは独立したスイッチにして、内部の水量設定など滅多に使わないボタンはフィルムスイッチでいいから化粧パネルで隠す、そういう方式にならないものですか。テレビのリモコンと違って大きさにそこまでの制約が無いのですから。指先で触れる部分の質感を上げるだけで、商品の満足度は1段階は上がるのは間違いないです。

 検便時や掃除に便利な水位調整や、泡洗浄の設定などもリモコンから出来ますので機能や操作性は申し分ありません。熱くなってしまいましたが、指先の質感には拘る方なのでここだけが残念でなりません。改善を期待したいです。

まとめ:新型アラウーノ

平均3.8点
満足度の高いトイレです。

2 件のコメント :

  1. 変態紳士様、初コメです。
    わが家もアラウーノなのですが、用を足した後の
    いわゆる「跳ね返り」が酷くないですか?
    毎回お尻のちょうど真ん中にヒットして不快極まりないです。

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  2. はじめまして、コメントありがとうございます。
     酷いですねー跳ね返り。便秘気味だと特に…
    各社詳細図面が手に入らなくて比較がまだできていないのですが、どうもアラウーノは他社に比べ一番深い部分がお尻の直下にある上にウォータートラップが深い気がするんですよね。ちょうど排水時、渦を巻く中心にありますし。
     そのお陰もあって便器に汚れが付く事が少ない…と思っています。慣れてないせいもあり検便時など、水位を下げても水の中にロストしてしまって昨年は困りました(苦笑

    汚い話ばかりで申し訳ありませんでした!

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