無事引渡し手続きが終わってパナホームの方々が帰られてから、息子を妻に2時間程お願いしてLDKのフローリングコートです!荷物が入る前にやってしまわないと掃除の手間も、作業能率も落ちますから今日が勝負です。
その前にフローリングとコーティングの種類について簡単に触れておきます。
フローリングの種類
フローリングは大きく分けて3種類。無垢、突板、シートフローリング。それぞれ特性があるので、どれが一番なんてことは言えないですね。無垢
読んで字のごとく、表から裏まで全て同じ木の板なので(材種によるが)高価。無垢と一括りでも木の種類、板一枚の大きさにによって価格も性能も千差万別。水や汚れを吸収しやすいが、中まで同じ木なので打痕に強く汚れや傷みは削る事で修復が可能。天然物のため湿度や使い方で反ったり歪んだり割れたりするがそれも味。突板
木質系基材にスライスした天然木を貼り付けたもの。表面さえ天然木なら見た目も肌触りも同じなのでコストを下げられ、基材は合板にすれば反りも歪みも抑えられると字面だけ見ると素晴らしい。水や紫外線に弱く、基材との熱膨張率の差などから経年劣化で剥離してくると、とてもみすぼらしくささくれだって脚に刺さるなど。掃き出し窓あたりでよく起こりますね。メンテナンスが一番必要な床材かもしれません。シートフローリング
安価で変形が少なく、劣化でささくれ立つ事もなく(表面層がある限り)水や紫外線にも強い。そのため各社「ノーワックス」を売り文句としている。ただ本来のフローリングの意味である「木質系素材による床張り(板張り)」とは言えないため厳密にはフローリングとは呼べないのかも。コーティング等の予防メンテナンスのみで、補修メンテナンスは基本的には不可能。古くなって樹脂層が剥がれたり水気の侵入や踏厚で基材がグズグズになったら張り替えるしかない。
変態家で採用したのはベリティス:ジョイハードフロアA。以下完全に変態個人の独断と偏見ですが、シートフローリングは安価で表面層が強いという事が特徴ですので、プロの高価なフローリングコートを頼むのも本末転倒かなと思わなくもないです。特にハードコートはあの特有のツヤツヤテカテカ感(少ない物もあります)が苦手といいますか、フローリングを覆ってしまうんなら突板も無垢も勿体ないし、シートフローリングはそもそもそこまでする価値のある建材でもないし…とはいえ「工事進捗(着工28日目)」で触れましたが、長期優良住宅にすると、床を張ってから壁を立てるためこの「コスト的に張り替えやすい床材」であるメリットが薄れてしまうのが納得いきません。
コーティング(ワックス)の種類
各社色々と出されていますので、それぞれの特性を挙げていく事も考えましたが最新のハードコートを業者に頼んだ事が無いので簡略に説明します。コーティングの考え方として以下の2種類に分かれます。ハードコート系
硬質な樹脂被膜で完全に覆ってフローリングを保護する事に特化したタイプ。被膜の強さと定着性を重視した結果、後々剥離させたり再施工する事は基本的に考慮されていない。近年見かける様になってきた「ガラスコーティング」や「ダイアコーティング(株式会社ミンナコーポレーション)」等は、特有のテカテカ感が抑えられている(らしい)。膜厚25~35μm/硬度7~8H程度の被膜を作るそうですが、勿論床がヘコむほどの打撃、砂などを噛んだスクラッチには無力。ちなみにこの膜厚、ニチバン:セロテープの約半分、旭化成:サランラップの約2倍です。
ソフト系というか従来系
被膜の硬度は低く耐久性に劣るが、施工性がよく施工費用がハード系に比べて安価。犠牲被膜的考え方で定期的に再施工をする。以上から
「(変態家に於いては)ハードコート系が最も適しているとは思うが、施工費用に対して得られる、美観の維持性能、維持管理の手間軽減が現在の施工価格相場ではペイできない。」
として業者でのフロアコーティングは採用しませんでした。
床暖房などを採用されていて下記の様なカバー工法が取れない、または床材を張り替える可能性は全く無い、室内でペットを飼っているなどの場合には十分採用の理由になると思います。
例)LDK18.5帖(約30m2)の変態家フローリング
これから20年後、ハードコートをしなかった事により著しく美観が劣化し張り替える必要が出たとします。執筆現在の商品では、費用を抑えるなら既存のフローリングの上から施工出来る「パナソニック 1.5mmWPBリフォームフロアー」という物があります。1.5mm厚の言わば「シートフローリングの表面だけ」を重ね張りする工法です。非常に薄いため、現在のフローリングが基材としての役目を果たせない程痛んでいると無理ですが、段差の納まり処理も必要なく安価に施工できます。
「工事進捗(着工21日)と帖と畳」から1帖 = 1.65m2とする。
重ね張りする場合
1.5mmWPBリフォームフロアー 17000円/3.3m2(5152円/m2)
床材定価 30 × 5152 = 約155000円
カットロス(20%) 155000 × 1.2 = 約186000円
仕入掛率(50%) 186000 × 0.5 = 床材費:約9.3万円
専用両面テープ 9巻(1巻/坪) 3000円/巻 3000 × 9 = 2.7万円
合計資材費:約12万円
施工費がいかほどかかるかは施工会社次第ですが、8帖で約1日施工との事ですので工期1人3日としましょう。専門職の人件費+利益で50000円/日として15万円に諸経費を総工費の10%として合計30万円程度と想定します。
ガラス/UV系20年保証品を施工する場合
フロアハードコートの費用相場は、30m2で約15~20万円程度。(変態グーグル調べ2016年6月時点)
まとめ
変態家では、年齢に合わせたリフォームを1度は見込んでおり、その頃には畳が恋しくなったり床暖房を採用したくなっているかもしれません。そんなライフスタイルの変化だったり、コーティングをかけても落下のダメージには無力な事を考えても、一般的に言われる「長期で見ればコスト的に優位」という考え方も変態家にはハマりませんでした。解りにくいですが息子が玩具をぶん投げた時の打痕です(表面層は割れ、基材が陥没してているため抑えるとフニフニします)。こういったダメージは防げないので、小さい子供が居られるご家庭では「折角コーティングしたのに!(泣)」とショックが大きくなる可能性があります。
勿論、変態家というモデルケースに於いての話ですので、コーティング不要論でない事はご了承下さい。むしろ費用が潤沢にあれば採用したいと思うくらいです。
変態は「自分で施工でき、耐久性は施工回数で補える。施工のしやすさと仕上がりの良さ。」から一般用水性アクリル/ウレタン系コート剤を使う事にしました。
施工まで触れるつもりでしたがあまりに長くなってしまったので、実際の施工については次回に続きます。
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