以前「引越し業者選び」で触れた様に、変態家の白物家電の多くはかなりの年数使用していましたので(というか想定寿命をとっくに過ぎている物ばかり)新たに購入する家電はどれも隔世の感があるのでは…と思いたかったのですが、技術の枯れた白物家電に革新はあまり無いですね。
自宅の物が古いだけで普段からほどほどに新しい機器に触れる機会はありますし、家電新製品チェックは趣味の一つなので最新事情にもそれなりに精通しているつもりです。
掃除機の選び方
さて今回のお題は掃除機です。大きく分けて形状は以下の3種類
・キャニスター式
・スティック式
・自走型ロボット式
集塵方式は以下の3種類
・フィルター式
・サイクロン式
・水フィルター式
といった所でしょうか。
更に電源方式が、コード式とバッテリー式に分かれる…と。
前置きが毎回長いので…変態の結論から言いますと
変態家の様な規模(35坪程度)の2階建て住宅の場合
・リビングのある階に主力掃除機でキャニスター型紙パック式コード有り
・無い階にサブ掃除機のスティック型サイクロン式コード有無問わず
上記の2台体制が最も汎用性の高い組み合わせだと思います。
ロボット掃除機は革新的白物家電なのか
まず最初にお断りしておきますが…ロボット掃除機は数少ない白物家電の「革新」と言えますが、「現在のロボット掃除機」については肯定派です。基本的に白物家電は「時間をお金で買う商品」ですが、現在のロボット掃除機はまだまだ「時間を買う目的では非常に割高。使わねばならない時間を任意にシフト出来る機能商品」と思っております。まとめたつもりで解りづらい表現ですが、確かに指定された時間に勝手に動いて勝手に掃除してくれるのは一見便利です。しかし満足にロボット掃除機に仕事をさせるには
・ロボット掃除機が快適に掃除出来る様に間取りや家具を最適化
・現状では高額なロボット掃除機を購入
・ロボット掃除機の集めたゴミの処理とロボット掃除機自体の掃除を行う
・部品交換、バッテリー交換、修理等保守を行う
ここまで手をかけても掃除できる床面は限られ、2階にもとなればもう一台必要になりロボット掃除機の活動出来ない場所にはまた掃除機が必要になる…ここまで手間暇に費用かけて得られる時間的メリットは少ないです。日中掃除にかけていた時間をロボット掃除機に任せる事により、夜間など掃除機をかけることをためらわれる時間に機器メンテナンスとして充てるなど、時短だけでなくタイムシフト的な時間の使い方が出来る様になると言えます。
以上の様に現在ではまだ嗜好品的意味合い「黒物家電」的な、普段の生活に自動車が必要ない土地に住んでいる人が所有している自動車的なイメージが強いかなと思います。勿論非常に可愛らしいですし、「技術革新を所有する満足感」的なメリットはありますね。
掃除機の必要スペック
ではそれぞれの階に配備すべき掃除機のスペックを見ていきます。1Fが主な居住空間の場合、やはり余裕のある吸塵力とタンク容量が必要でしょう。空間に余裕があるため掃除機本体の大きさはあまり問われません。見栄えの良いラグなどが敷かれる事も多いため対ラグ性能が高い方が良い。
2Fが個人空間、寝室等だと各々のプライバシーが重要視されるため部屋が1Fに比べ細かく数が多くなる。それぞれの空間の所有者ごとに物が存在するため1Fに比べ煩雑となりがちで、面積は狭い事が多いので機動性の方が重視される。
勿論1台のメイン掃除機で済ます事も可能ですが、毎日といわなくても週に何度も掃除機をかついで移動したくないですし、何かをこぼした時など掃除をしようと思った時に大物を持ってくるというのは非常におっくうです。ですので高性能を1台、高機動を1台の複数運用が良いと考えます。
高吸塵性能のメイン掃除機は、やはりキャニスター式になるでしょう。スペースの制約も少なく、ケーブルにより供給される電力でパワフルに吸ってくれます。個人的に「SHARP:POWER CYCLONE EC-QX310」の様な肩掛け型はスティック型とキャニスター型との折衷案的で評価しているのですが…まぁ肝心の機器が微妙だったので時代の徒花とも言えそうな製品になってしまっています。これが紙パック式+コードレスでなくケーブル式だったら間違いなく購入していますね、世間的には絶対売れそうに無いことは解っていますが…
紙パック式
メリット・手を汚さずゴミを捨てられる
・機器が小型
・機器が安価
・機器のメンテナンスがほぼ不要
デメリット
・紙パックの費用がかかる
・ゴミが溜まるほどに吸塵力が低下する
・ゴミの中を通ってくるため排気が汚い
・紙パックが溜まるまで掃除機の中にゴミを溜める事になるため不衛生
サイクロン(遠心分離)式
メリット・排気がゴミと遠心分離されるため綺麗
・紙パックなどの消耗品が少なくランニングコストが低い
デメリット
・ゴミを捨てる時手や部屋が汚れる
・ゴミ容量が少ない
・機器が大型
・機器が高価
・機器が複雑で機器の分解清掃などのメンテナンスが必要
変態はサイクロン式には懐疑的といいますか…どの国産メーカーも新製品はサイクロン式ばかり、紙パック式でいいんでね?と思っています。吸引力の変わらなさや強さを競う傾向にありますが、ある一定以上の吸引力があれば問題ありません。それに吸引力があまりに高すぎるとラグやキッチンマットなどを吸い上げてしまい作業性が悪いです。そういう事も鑑みて近年の掃除機だと敷物を吸い上げてしまわない様に気密を抑えたヘッドになっていて、吸引力だけでなく「ブラシ」で掻き取る様になっています。
吸込仕事率は500W以上あれば、そう不満の出る事は無いでしょう。その代わり、モーターヘッド(パワーブラシ)は必須だと思います。吸い込む空気によってブラシを回転させる「タービンブラシ」もありますが、タービンでは少しでも負荷が大きくなると止まってしまいますのでフローリングや畳くらいにしか効果がありません。リビングを相手にするには少々頼りないスペックです。
かといってあまりに高性能なモーターヘッド、自走式などだと重くなったり故障時に恐ろしい値段を請求されたり…これについては次回また詳しく触れる予定です。
このブラシの性能も、国ごとに想定される床の種類が違うため毛足の長さやブラシの固さがその国ごとに最適化されています。国産は日本の床事情をよく知っていますので、スペック的に見栄えのしない製品が多くても、それで必要十分だったりパワー以外の部分に拘ったりしている物が多い様に思います。実際海外製の物では、ブラシが非常に硬いためゴミが吸引力の割に多く取れるがラグやフローリングへのダメージが大きいといった検証結果も出ていますしね。
まとめ
掃除機の価格も同じカテゴリーの掃除機であれば、最低限の能力さえ備えていればそれ以上はあくまで付加価値といいますか…どんどん掃除と直接関係ない機能が付加されていきます。それで価格は上がっていく訳ですが価格がいくら高い高級品であろうが、同じカテゴリーの掃除機であれば掃除にかかる時間は大差ない
ことを忘れない様にしたいです。価格が倍の商品を買ったところで掃除の時間は半分になりません、勿論仕上がり具合や使い勝手に差は出てきますが。そういう意味でもサイクロン式や紙パック式でも高級機には今一つ食指が伸びませんね、価格差分で潤沢に紙パックを使った方がトータルで掃除にかかる手間が減らせますし。
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