変態です。
サブ掃除機に求める仕様は前述の通り、小型軽量コンパクトであること。この条件には近年急速に機種も増え普及しつつある「コードレス掃除機(サイクロン型)」が当てはまりますが、やつらはなんといってもお高い。スタイリッシュな外観に物欲は非常に沸くのですが、メイン機で無い物にそこまでのコストをかける気にはなれませんでした。専用バッテリー交換のランニングコストもかかってきますしね(最近はそれも改善されつつあり、製品想定寿命までもつと言われる製品も出てきましたが、そもそも想定寿命がかなり短い…)。
PSO(SEGA:PHANTASY STAR ONLINE)にでも出てきそうな近未来兵器的デザインの物が多く心ときめきますが(実際SHARP公式はFREED2が武器っぽいと話題になった時にはノリノリでコラ材料配布していたり)、こんなものを配備したご家庭だと確実に男の子の玩具にされますね、変態なら間違いなく親子で銃撃戦をやります。
コードレス掃除機ならば某通販会社で話題になり、現在では定番化してきたマキタのコードレス掃除機という選択肢もあります。バッテリーは電動工具と共用だったり(想定使用状況が現場ですし。でもこれは入手性が良く互換品などの選択肢があるなど大きなメリット)、自立収納が出来ない、ネットフィルターもしく紙パック式だったりと他コードレス掃除機に比べてかなり独特の仕様になっています。
変態がコードレス掃除機デビューするなら…マキタから入りますね、万一肌に合わなくても被害の少ない価格と、DIY後や車の中など手荒に使える安心感がありますし。
こういった小型機の場合、本体をどこに持ってくるかで形状が変わります。床に近ければ本体重量を床に任せる事が出来るため、少々重くてもよくなります。その代償としてノズルは本体重量を支えるため大型化し、本体の位置と相まってベッドの下など狭い箇所へは入れなくなります。それを回避できる様に別ノズルが増設されたPanasonic製のスティック掃除機がありましたが、あそこまで肥大化するならキャニスターでいいだろうよと。(モデルチェンジされる事も無くひっそりと廃盤を待つのみの様な状態ですが)
逆に本体を手元に配置すると、ほぼ全重量を手で支える必要があるため小型軽量化がシビアになり、排気も使用者にかからない工夫が必要などの理由から、どうしても高価になります。代わりに狭い所や高所への対応力が上がるため機動性に於いて圧倒的に有利です。
これをハンドユニットとして取り外す事で解決したのがエルゴラピード…なんですがどっちつかずというかバッテリー切れたらハンドユニットごと交換とか。
スティック型のなんちゃってサイクロン掃除機です。なんちゃってサイクロンというのは、遠心力だけで完全にゴミと空気を分離する事が出来ず、ダストカップからモーターまでの間に複数のフィルターを設けて分離しきれなかった細かなチリを処理するタイプ、もしくは細かい事は気にせず排気と一緒に噴き出すおおらかなタイプのサイクロン掃除機を指します。くるくる回るゴミを見て楽しむタイプですね。このフィルター掃除やダストカップ掃除などのメンテナンスが、サイクロン掃除機をメイン機にしたくない理由なのは前述の通り。
ですがサブ機と割り切れば話は別。
サブ機は機動性を重視したいので、小型軽量で取り回しの良い事。小型軽量である以上、大型モーターは積めないため吸引力は妥協。集塵容量も本体サイズに合わせて妥協。集塵容量が小さいと紙パックでは交換頻度が上がってしまい、優位性が生かせないためサイクロン式も許容される。そもそもそこまでゴミが発生しない想定。
なんちゃってサイクロンはゴミの分離が完璧で無く基本的にモーターへの負担やダメージが大きいため、本体価格は安い方が良い。
以上の条件をそこそこ満たしつつ、購入時税込3750円という驚きの低価格の本機を試しに導入してみましたが、意外と出来る子でした。
多分届いた箱の小ささに驚かれると思います。こんなサイズに掃除機が入ってるの!?と思いましたが、組み上げてみると意外と普通で感心しました。
支える事なく自立し不安定な感じもなく、収納に困る事はありません。コードリールは当然付いておらず、フックに手で巻きつける事になりますが、作業性が悪い事もなく綺麗に巻き取れます。
ヘッドは昔ながらの何の機能も備えていないただの吸い込み口。申し訳程度にゴム製のヘラが付いており、ここが気密とホコリを削ぎ取るスクレイパー的な機能を担っている様です。ファブリックの掃除は苦手なので、基本的にフローリングや畳用と割り切りが必要です。ヘッドは樹脂管の差し込み式で、ロックも回転もしませんが緩くて抜ける事もなく普通です。前後方向のみへの大型の樹脂車輪で支えられており、押し引きが重い感じはありませんが、左右への動きは苦手なので手首に負担がかかり気味。
操作は電源オンオフのみで極めてシンプル。大した吸引力がある訳でもないので調整する必要などありません。本体上部に大きなスイッチがあり、少し低いかなと思っていましたが、標準的成人男性の変態でも特に押し辛さも無くクリック感も意外と好感触。
持ち手は本体から金属製のシャフトでダボ接続されており、ダボはスプリング仕様なので勝手に抜けないが外そうと思えば簡単に外せる気の利いた仕様。取り外してハンドクリーナーとしての形態にもなれます。
同社でよく似た機種に「TC-E123S」がありますが、こちらはより軽量でグリップ付近にスイッチが付いており、スティック型としても使い勝手が良くなっています。ゴミ捨てもこちらの方が楽になっており、価格も安い…見た目と僅かばかりの吸引力の高さでTC-EA17Wを選びましたが、TC-E123Sの方がおすすめですね。
排気は本体側面から斜め上方向。本体を体の正面で操作していれば顔にかかる事が無い様気遣いのある設計ですが、適当に走らせていると時々排気が直撃します。これは構造上仕方ないですね、下や横へ向けると床のホコリをまき散らしてしまいますし。
ダストカップはレバー一つで開ける事が出来、本体を掃除しない場合にはゴミ捨ては楽。軽量コンパクトとはいえそれなりのサイズ感なので、ゴミ箱の上に持ち上げてカップを開くのは作業性が悪いので…新聞紙やゴミ袋の上で排出した方がいいかもしれません。分解清掃もなんちゃってサイクロンのため簡単ですが、神経質にメンテナンスするよりはラフに使った方が価格や構造が生かせる機種だと思います。
あまり高密度のフィルターを追加するとモーターに負担がかかりますので、ティッシュを1枚挟んでいます。これだけでもフィルターの掃除の手間が減らせます。
所有欲を満たしてくれる様な製品では無いですが、安いなりですが価格から想像するほどの露骨な安っぽさは無く、必要な部分に必要なだけコストをかけたといった割り切りが美しい製品です。後継機では見た目にコストをかけたり、不要な機能を付けて肥大化高価格化してしまっていますので、あえて旧機種を選択する方が良いと思います。
モーターや重さ等で色々バリエーションがあるのですが、同社製品はデザインがどれも非常に似ておりネット通販では区別が付きづらく比較しづらいんですよね…型番でもスペックが解らないので注意が必要です。
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