変態にとって、カーテン選びは非常に難しかったです。なぜかって言うと、大して興味も無いもののくせにそれなりにお値段がするって所です。ここまで来るまでに「価格にはそれなりの理由がある」って事を何度も経験してきたため、やはりそれなりの理由を理解せねば高いも安いも判断出来ない訳でして。
調べだすとなかなかに深いジャンルでした。
変態の様に大して興味が無い方でなくても、家も形になってきて引渡し日や入居日の目途が立ち始めたあたりから検討される事が多いと思います。それから調べて、好きな物を選んで、発注して受け取るまでとなるとそこそこ時間が必要です。
入居に間に合わないと、カーテンの無い生活なんて!となるので慌てて決めてしまう事にもなりかねません。消耗品といえど数年間は付き合うもので、興味の無い人でも意外と目に入る様で入らないような、部屋の雰囲気にそれなりの影響を与える微妙なポジションの物ではあると思います。
困ったらHMの提案そのまま買えば失敗はしませんけどね!激しくお高いですけど!
変態は興味の無いものにそこまでコストをかけたくなかったので(とはいえそれが必要なコストであれば納得したい)、仕方なく色々と調べました。
カーテン設置の目的(基本機能)
これをまずはよく考えないといけません。先入観で全窓に必要だよ!と思ってしまいがちですが、そもそも必要かどうかってレベルの話になってきますので。色々と細かい機能性は置いといて、基本機能は大きく分けて以下の3つだと思います。目隠し
真っ先に思いつくのはこれでしょう、外から家の中を見えなくするためですね。
調光
目隠しするだけならある程度密度があって透けなければ何でもいいのですが、部屋や目的に応じた明るさに調節する機能です。
断熱
近年断熱性が上がってきた窓とはいえ、いまだ主な熱損失は窓で発生します。その窓を塞ぎ、断熱性を向上させます。断熱については確実に効果が見込めますが、遮熱についてはあくまで窓内側に設置するため「無いよりマシ」と考えておくべきだと思います。
何を当たり前なって話ですよね、分かってます。一例ですが、
・採光や通風目的の窓で、窓の外を見る気がない箇所なら型ガラスであれば目隠しの役目が果たせる。調光断熱の役目だけ補えばよい。
・夜間シャッターを閉める生活なら、ドレープが必要無い
・高高住宅で窓を開けない前提ならカーテン形状である必要が無い
等々…
また一条かよと思われるかもしれませんが、一条工務店は高高+ロスガードがウリですのでハニカムシェードが標準仕様となっています。採光と断熱に特化して通風を捨てるという合理的判断ですね。(網戸がオプションな事からも察せられます)
以上の様に、窓の目的に応じてカーテンの必要性も形状も変わって来るんですよね。勿論オシャレなシェードやカフェカーテンで全室統一みたいなのも、インテリアとしての要素が大きい住設ですので選択として正しいと思います。
カーテンの構造
便宜上カーテンと一言で括りましたが、現在では色々な形状が出てきています。基本構造は大きく分けて3種類なので、これらについても見ておきます。カーテンタイプ(横方向移動)
適した窓・頻繁に開け閉めする窓
・通風目的の窓
・掃き出し窓
一番オーソドックスな形状で横方向に開く動きをするタイプ。メリットは素早い操作で開け閉め出来る瞬発力、各種シチュエーションへの対応力の広さ。開ける量や位置の調節で採光/通風量の微調整が可能。縦方向の開口形状は視線が通りにくい。複雑なメカが無いため構造的には安価。
デメリットはカーテンレール(レールボックスその他設備等)が必要。ドレープの厚みと、レースを付けると更に厚みが増え設置専有面積が意外と多く、小さな家だとバカに出来ないほど狭くなる。布地の使用量が多く、美しさを求め2倍3倍ヒダを選択すると2倍3倍に価格が跳ね上がる。
プリーツスクリーン、シェード、ロールスクリーンタイプ(縦方向移動)
適した窓・開け閉めを頻繁にしない窓
・著しく縦長/横長の窓
上を起点に下方向へ移動するタイプ。メリットは窓木枠内に納める事が出来る程の設置性の良さと専有面積の少なさ。使用布量が少ないため生地値は抑えられる。
デメリットは、複雑になりがちなメカ部品の故障リスクと価格、チェーンやコード操作で開け閉めに時間がかかる、洗濯しづらい、もしくは不可。窓全幅を占有するため通風時に煽られる。通風するためには上げる必要があり、横方向の開口形状は視線が通りやすくレースも無いためノーガード。調光には前述の様にノーガード解放するか、レース生地と通常生地の繋がったツインタイプを選ぶ必要があるが、メカが複雑になり生地が倍になるため価格も倍に。
窓木枠内設置(天井付け)だと、どうしても光漏れがあるためその場合は窓木枠を覆う様に大きめの物を壁付け設置が必要。それでもカーテンに比べると専有面積は少ない。
ブラインド、調光通風ロールスクリーンタイプ(移動方向非限定)
適した窓・開け閉めを頻繁にしない小型窓もしくは大型掃き出し窓
基本的に上を起点に上下方向へ移動(バーティカルブラインド等横方向移動もあり)するタイプ。プリーツスクリーン系の設置性と専有面積のメリットを生かしながら、スリットの間隔を調整して採光通風を可能にしたマルチプレイヤー(サマルトリアの王子)。
デメリットはプリーツスクリーン系デメリットを受け継ぎつつ、更なる重量増で操作が重くなりがち。採光通風もどっちつかずで、強風には煽られ真っ暗にしたくても光が漏れる。パーツ(フィン)が多く素材によってはホコリを吸い寄せやすいためホコリまみれとなり、通風時にホコリ吹雪をまき散らす機能付き。掃除やメンテナンスが欠かせない手間のかかるタイプ。
まとめ
最後に変態家での失敗例です。勾配天井(南下がり)の先にある腰高窓ですが
・見回しても近隣からの視線が通りにくい位置(東接道のため道路から見えない)
・屈まないと自分も外の景色が見えない
・風を通すにも東西にも窓があるためわざわざ頭を打ちそうになりながらこの窓を開けに行く必要もない。
・勾配天井で腰窓とはいえ普通の窓より低い位置かつ窓上すぐに雨樋のため直射日光はほぼ入らない。
上記の通り、視線を遮る必要がなくあまり開けない。かつ横長形状って事でプリーツやハニカムスクリーン、もしくは型ガラスのみでなにも付けないが正解だったと思います。
カーテンレール外すべきでしたね…
それぞれ得手不得手がありますので、適材適所選びたい所です。
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