ピュアテック:エコナビ搭載換気システム 呼吸の道タワーの長期レビューです。
何かといい話を聞かないこのパナホーム独自の換気システムですが、おさらいを兼ねてまずは仕様から。変態家はエコナビ+ナノイーのついたモデル(FY-07GTE1RPH)となります。
・機械吸気→自然排気(正圧)の第二種換気システム
・エコナビ(Panasonic独自の省電力システムの総称)搭載
・nanoe(Panasonic独自の)搭載
ナノイーについては…変態自身がなんとも言えない…というポジションを取っているため、Panasonicの能書きだけ紹介させて頂きますと
・うるおいたっぷりで肌や髪によい
・花粉/アレル物質の抑制
・ニオイの軽減
・カビ/ウィルスの抑制
・PM2.5等の抑制
すげぇなナノイー。プラズマクラスターと双璧をなす超技術でそれを24時間365日休むことなくまき散らしてくれるそうです。きちんと人並みに風邪もひいたし、冬場は肌パリパリになったし、静電気バッチバチだったし、キッチンシンクにはカビも生えたけど。とはいえ、このナノイー様が発生していなければ危うく命に関わる事態になっていたのかもしれません。
それはそうと、本題の換気能力について。
重ねての部分が多くなりますがご容赦下さい。
ピュアテック呼吸の道タワーレビュー
設置性(★★★★★)
設置性は非常に良好です。2基の縦置きシロッコファンにより、上吹き出し口(24時間換気) 、下吹き出し口(涼換気)を行う。床下から床下空気を吸い上げて上部吹出し口から吹き出す(吸気)。部屋の内部の圧力が上がる(正圧)ため、窓上の排気口からその差圧によって排気される。
階段ホールや間仕切りなどに、呼吸の道タワーの補助として間仕切ファンが設置される。これにも横置きシロッコファンが内蔵されており、24時間連続運転の様子。
各部屋の入口上に吸気口が設置され、入口の対角窓上に排気口が設置される。引き戸の上に吸気口が無いのは引き戸の構造上、気密性が悪いから必要無いのでしょうか。
という訳で、換気システムは全て壁内に収められており、間取り段階でも設置自由度は高く、邪魔になる事はまずないでしょう。また3種の様な吸気口の突起も無いのでスッキリ…と言いたい所ですが、最近の3種室内側は結構スリムでオシャレなデザインも増えてきており、呼吸の道タワーシステムの方がいけてない感があります。
とはいえ排気口は窓上に設置されるので、カーテンやカーテンボックスなどに隠れてほとんど目に付く事はありません。窓枠内に付けるプリーツスクリーンの様なスタイルだと丸見えですけど…
大型換気システムのメインユニットで貴重な床面積を1グリッド消費する事も、床下設置の様に浸水を気にする必要もなく、ダクトの汚れも心配要らない。システムがシンプルなメリットは大きいと思います。
清浄性/快適性(★★★☆☆)
換気システムのキモの部分ですが…これについては良くも悪くも「並み」、本当に普通です。簡素なエアコン用の様なメッシュフィルターのみですので、基本的にはフィルターレスだと思ってよいでしょう。床下を通って来る間にほぼ落としきるという前提の設計思想だと思います。変態は地方住まいですので、たまに行くコミケなどで「都会の空気さ汚いべなー」と思うくらいなもの、普段空気の質を気にした事などなかったです。家周辺の空気が都会や主要道路沿いで明らかに汚かったり、家が大きくて吸気量が多いと十分に不純物を落とす時間も減る訳ですし…とちょっと能力不足を心配します。
最近ではHEPAフィルターを採用したユニットを床下に設置する「エコナビ搭載換気システムHEPA+」というシステムも用意されている事からも完璧でない事は間違いありません。
とはいえ通常仕様で「必要十分」で、「エコナビ搭載換気システム HEPA+」が更に上を求める方用であれば問題無い訳です。
地方民の変態は通年住んでみて、空気の悪さやホコリの多さなどを感じる事は全く無かったので、上記の様な「家の外の空気を吸うのに抵抗がある」ご家庭で無い限りは標準仕様でなんら問題無いと思います。
補足ですが、2種換気は室内が「正圧」になるため、理論上は吸気口以外から外気やホコリ等が入って来づらいです。吸気口の空気を高性能フィルターで処理する「エコナビ搭載換気システム HEPA+」は理にかなったシステムだと思います。
機能性/操作性(★★★☆☆)
基本触る事はありません、黙々と回って仕事をこなすのみです。涼換気を自動にすると下側の吹き出し口から初期設定28℃になると床下空気を吹き出します。この28℃というのがなかなか微妙な温度でして。設定温度を上げようと叫ばれる昨今、エアコン設定温度を28℃にしていると、動いたり止まったりを延々繰り返されます。エアコン稼働時には動いてほしくないので(わざわざ冷やされた空気の移動量を増やしたくない)、エアコンの設定温度をもう少し下げるか、涼換気の自動開始温度を変更するとよいです。呼吸の道タワーが冬場寒いと感じる場合には電源を切る事も出来ます。「冬冷風が出て寒い」とか「寒いからって電源切ったら意味が無い」とかいう意見を散見しましたが、現行モデルではそもそも「外気温との温度差で自動で止まります」。電源を切っても特にシャッターが付いてる訳でもなくファンが止まるだけですので、床下とはつながったまま。そのため完全に空気流入が無くなる事もありません。
以下マニュアルに記載されているエコナビによる呼吸の道タワー動作条件です。普段意識する事はありませんが、意外と細やかに運転制御されている様です。
設定変更手順
①電源オフ(24時間換気スイッチを3秒押し)にして
②涼換気スイッチを3秒押すとエコナビランプが点滅し、設定変更モードへ
③24時間換気設定:24時間換気スイッチ
涼換気設定:涼換気スイッチ
を押す事で各設定を変更出来ます。
④涼換気スイッチを3秒間押して設定完了
ナノイーの効果は…繊細でないのか信仰心が足りないのか解りませんが特に良くも悪くも存在自体を感じませんでした。
静音性(★★★☆☆)
呼吸の道タワー自体は本当に静かなもので、日常生活で動いてるかどうか気になる事はまずないですね。小さめのタワー型扇風機くらいのサイズを低速運転しているからでしょう。それに比べて間仕切ファン、お前はダメだ。
個体差なのか意外とうるさいです。変態家では階段ホールに設置されている事、かつ小さめのファンのせいもあってか結構な音がします。階段ホール前に引き戸を付けているので冷暖房を使わない季節だけしか気になりませんが、ここを開けると結構響きます。
耳障りな音では無いので(そこまで高回転の高周波音ではない)響いてるなー程度にしか思いませんが、気になるタイプの方だと十分気になる音量かもしれません(トイレの脱臭ファンの音くらい…かな)。是非展示場で注意して聞いてみて下さい。
ランニングコスト(★★★★★)
フィルターが簡素な物で水洗いだけで交換不要。可動部分はファン3基(呼吸の道タワー上吹口/下吹口+間仕切りファン)だけで、とてもシンプルです。電気代もファンを回すだけ(24時間換気:7.5W程度/涼換気:15W)なのでほとんどかかりませんし、なんといっても面倒なフィルター掃除がファンの数と同じだけの3箇所。半年に1度もやれば十分なのでラクチンです。3種換気も同じ様なものですがこちらは吸気口の数が多い分、手間が少し増えますね。ランニングコストが圧倒的に高いのは1種熱交換型ですが…その分快適さや清浄さの恩恵を受けている訳ですから当然としましょう。
故障する場所も呼吸の道タワーと換気間仕切りの2カ所のみ、故障時にもシステムが簡易な分価格も安く済む。ダクトの汚れを気にする必要も無いと維持管理については非常に有利なシステムです。
まとめ
3.8/5.0点コストパフォーマンスに優れたシステムだが、絶対的な清浄度や快適性では劣る
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