住設レビュー(長期レビュー1年目) ウツクシーズ(2013)

変態です。

 長文が続きましたので今回は少し短めになるであろう洗面化粧台ウツクシーズ(2013)についての長期レビューとなります。
 これも、従来陶器製がメインだった洗面台というカテゴリーを樹脂化した商品で、アラウーノ同様Panasonic自慢の「有機ガラス系新素材」を使用しています。

 主な特徴
 ・有機ガラス系新素材製のボウル
 ・電磁弁+センサーを用いたタッチレス水栓「すぐピタ」がオプション取付可能
 ・シングルレバーシャワー混合水栓「カチット」
 ・くもりにくい樹脂膜「くもりシャット」ミラー

 他社ではアクアオート等の「水流での水栓内発電により電源供給不要な自動水栓」なんていうそこまでやるかって物もありますが、ウツクシーズは普通の自動水栓です。
 自動水栓の一般的なデメリットとしては停電時に水が出ない…が真っ先に思いつきますね。「すぐピタ」ではどうか…といいますとまさかの「停電対応キット」という電磁弁を迂回する分岐配管+手動バルブセットというローテク部材が別売されている様です。バックアップ電池ボックスとかじゃないの…というか手動バルブは標準添付しようや…
 他には自動水栓のセンサー位置によっては「容器やボウルに水を溜めにくい」物があります。水を出しっぱなしにするには、手が水にかかるくらいの位置にないと水が止まってしまう様な物もありますが、「すぐピタ」には手動/自動切換えボタンがありこの点は考えられています。
 
 とはいえ、変態がウツクシーズに拘ったのは「水栓が上から生えている」事のみでしたので、「すぐピタ」や「ツインラインLED」は採用しませんでした。

 記事を書く上で仕様を公式で見直していたのですが、ウツクシーズは2017年2月にマイナーチェンジをされている様です。前モデルを使っている変態でもどこが変わったのか解らない程度です。

ウツクシーズ(2013)レビュー

操作性(★★★☆☆)

ボウルから水栓が生えているものは、水平方向もしくは更に高角度が止水位置で、水を出すにはそこから更にレバーを上げるという操作が必要で微調整がしにくいです。
 それに比べウツクシーズの「カチット」水栓は止水位置が垂直方向で微調整が効きやすく、また鉛直位置が水と湯の切り替え位置でこれまた湯を使っているかの判断が非常にしやすい。
 止水から給水の切り替え、水と湯の切り替えで「カチッ」とした節度のあるクリック感がありこれがまた素晴らしい。
注意)
 水を停めてもダラダラ…と止まりの悪い事があります。これは水の出す勢いだったり止めるタイミングだったりでバルブからシャワーヘッドまでの配管の水が溢れ出るだけです。マニュアルにも書いてありますが、初めて見ると水漏れしてる様に見えますが安心して下さい。

 シャワーヘッドは引き出せて(引き出せない仕様も有り)、シャワーヘッド自体が非常にコンパクトなため収納時はスッキリとしています。ですが、あまりにヘッドが小さく、またメタルホースの引き出しも重くて柔軟性に乏しいためここで頭を洗う気にはなれません。引出し口にガイドが無いためかメタルホースを戻しづらいです。

 吐出口はシャワーとストレートの2種切り替え。吐出口を回して切り替えますが、この切り替えもヘッドが小さい上に固いので切り替えづらく、切り替えてもストレートの口が小さくてやたらに水圧が高い。庭用ホースリールのストレート的なイメージに近くて何に使う事想定してるんでしょうねこれ。

 デザインが少々古い感じがありますが、標準仕様の水栓としてはよく出来ていると思います。

機能性(★★★★☆)

3面鏡裏側が全てキャビネットになっており収納力は十分。ミラーキャビネット中央には2口コンセントが装備されています。シェーバーの他にも電動歯ブラシや電動美容用品も多いですしこれは便利ですね。奥行も問題なく大きめのドライヤーでも入ります。
「ツインラインLED」が取り付けられる様になっているので、取り付けていないとミラ―とミラーの隙間が少し大きめです。LEDと電源の排熱や、化粧品などの揮発溶剤がこもらないためか隙間の多い設計+ミラーが軽くペラペラなのでちょっと安っぽいかもしれません。安っぽいといえば照明のプッシュスイッチの感触も遊びが多くなかなかショボいです。

 蛍光灯タイプだと、少々暗く斜め上から照らされるため顔に影が出来やすいです。幸い変態家は洗面脱衣室のダウンライトの光量が十分で、ウツクシーズの照明は補助程度で問題無いのですが、洗面台にこだわりのある方は是非「ツインラインLED」をお勧めします。
 
 本体キャビネットはパノラマスライドタイプ。フルスライドレール+ソフトクローズで使い勝手は良く、高さ奥行(は排水管があるため少し短めですが)ともによく計算されています。下段はスプレーボトルや詰め替えパック、スプレー缶等も当たらない高さです。上段は化粧板の面積が大きいだけで、実際の深さは下段に比べるとかなり浅め。上段をリネン庫、下段を洗濯/掃除用品のストレージにしています。耐荷重のデータが見当たりませんでしたが、公式で下段には液体モノばかりをぎっしり詰め込んでいたので心配無さそうです。

清掃/メンテナンス性(★★★☆☆)

特筆すべきはやはり上から生えた水栓。これのお陰で水栓に付いた水滴は水栓の先から落ちるので水栓根本が汚れる事がありません。あの水栓根本の隙間に発生する汚れ…それだけで途端に洗面台が汚く感じるので本当に助かります。

 シャワーヘッドはメッキと思われますが、小さいため手入れもしやすく汚れも目立ちません。水栓のレバーもメッキですが、止水位置が鉛直方向のためレバーに水がついたまま乾燥しにくく、スケール汚れが付きにくいですね。

 有機ガラス系新素材の洗面ボウルの防汚性は、初期は良かったのですが入居1年時点で今一つです。常にウォータートラップのあるアラウーノと比べ洗面ボウルは水を流してしまいますし、またボウルの角度がゆるやかなため水滴がボウルに結構残ります。入居当時はなかなか汚れないなと思って掃除の頻度が少なかったのか、結果ボウル内にスケール汚れが付着してしまい、それに汚れが付く様です。スケール汚れを取ろうにも樹脂製のため研磨は出来ず、公式では中性洗剤の使用に限られています。Panasonic公式といえば「花王」のバスマジックリン(キレート入り)では歯が立たず、クエン酸溶液での浸け置きも試しましたが取れません。他の手を考えなくては…

 という訳で防汚性は期待程ではありませんでした。

 くもりシャットミラーは樹脂膜が弱いから気を付けてと散々脅されましたが、変態家では研磨剤の入っていない歯磨き粉を愛用しているためか傷など入らず現状綺麗なままですが…ここは要経過観察です。

 ヘアキャッチャーはオーソドックスな形状です。細かい形状のため髪の毛の回収能力は高いですが汚れやすく掃除も少しづらいです。他社では改良が進んでいる部分ですので改善を望みます(出来れば口径を変えずに互換性を保ってくれれば)。

拡張性(参考評価)

同シリーズに吊り戸棚やサイドキャビネット、ランドリーラックといったオプションが用意されています。ベリティス柄が選択出来るので、家中ベリティス柄でトータルコーディネイトが可能です。
 変態家は間取りの都合上、900mmタイプの本体のみとなりましたが、スペースがあれば吊り戸棚やサイドキャビネット、ランドリーラックといったオプションセットを採用したかったです。それくらいあれば、それこそ下着からタオル類から、各種ストックやらと全てを洗面脱衣室だけで収納出来るので。となると、浴室乾燥もしたくなるし、下着以外を収納するためにファミリークローゼットを近くに…って間取りが全く変わってしまうのでやっぱり変態家では無理ですね。

まとめ

3.3/5.0点
 きわめて無難な洗面台だが、全体的な質感は悪くない。防汚性能の維持にはこまめな手入れが必要で本末転倒か。標準装備のカチット水栓、オプションなど優秀な物が多い。


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